13歳であるリリィ王女は、星のアステル王国の第1王女であり、天才的な魔法使いであった。また剣術もそこそこできるぐらいの武術の心得はあったので、修行をしてヘリオス帝国に対抗しようと考えたのだが、流石に兵士の数が少なすぎる。
「さすがに私とミスティ皇女とお供の騎士団だけでは、ヘリオス帝国と戦うのは無理ね。お母様に相談してみようかしら。」
お母様というのは、アステル王国の女王であり、良心的で国民に愛される国の代表として人気があった。私の魔法や剣術もお母様から学んだ。お母様は、この世界では珍しい古代魔法や封印魔法を使えるすごい魔法の使い手なので、相談すればなにか良い方法が思いつくかもしれないと思ったからだ。
「お母様、これからヘリオス帝国と戦う準備をしたいのですが、私とミスティ皇女の近衛兵だけでは、兵が少ないので、なにか良い方法がないでしょうか。」
「リリィ、それなら異世界の人間界から強い戦士を召喚したらどうかしら。ヘリオス帝国は魔界から悪魔や魔物を召喚したでしょう。私達は人間界から正義感の強い戦士を育てたほうがよいと思いますわ。」
「お母様ありがとう。召喚魔法なら、私も使えるし、アリスも召喚魔法が使えると思うから、彼女にも手伝ってもらおうかしら。」
私の近衛騎士隊は、3人の優秀な少女だけの少ない騎士隊で、その中の1人で、アリスという天才魔道士がいる。12歳の少女だが、すべての属性の魔法が使え、攻撃魔法だけでなく回復や補助も得意な魔道士である。もちろん召喚魔法にも精通している。
(いまから私とアリスで、強い戦士を召喚してみようかしら。)
できれば私と同じぐらいの歳の少女がいい、異世界の人間界の親友も欲しいと思ったからだ。
私は、駆け足でいつもアリスのいる図書室に向かうのであった。